残置物がある家はそのまま売却できる?処分するべきケース・そのまま売れるケースを不動産会社が解説【後編】

残置物がある家はそのまま売却できる?処分するべきケース・そのまま売れるケースを不動産会社が解説【後編】
相続した家では「とりあえず全部処分」に注意
残置物について特にご相談が多いのが、相続した不動産です。
親御様が長年暮らしていた実家などでは、家具や家電だけでなく、衣類、写真、書類、趣味の品など、非常に多くの物が残されていることがあります。
遠方に住んでいる場合や仕事が忙しい場合には、片付けのためだけに何度も現地へ足を運ぶことが大きな負担になることもあります。
そこで注意したいのが、
「売るなら全部捨てればいい」と、すぐに処分を始めてしまうことです。
相続した住宅の中には、不動産売却や相続手続きに関係する重要なものが残されている場合があります。
例えば、
- 権利証や登記識別情報通知
- 固定資産税関係の書類
- 建築確認済証・検査済証
- 測量図
- 購入時の売買契約書
- リフォームや修繕の記録
- 通帳や印鑑
- 貴金属や現金
- 遺言書など相続に関係する書類
などです。
そのため、処分業者へ依頼する前に、重要書類や貴重品が残されていないかを確認することが大切です。
特に相続人が複数いる場合には、一人の判断で家財を処分してしまうと、後から「残してほしい物があった」など、相続人同士のトラブルにつながる可能性もあります。
まずは必要な物と不要な物を整理し、そのうえで残置物の処分方法を検討しましょう。
遺品整理と残置物処分は同じではありません
相続した住宅では、「遺品整理」と「残置物処分」を同じものとして考えてしまうことがあります。
しかし、目的は少し異なります。
遺品整理では、故人が残した品物を確認し、
「残す物」
「親族へ渡す物」
「売却できる物」
「処分する物」
などに分けて整理していきます。
一方、残置物処分は、最終的に建物内に残った不要な物を撤去する作業という意味合いが強くなります。
そのため、相続した住宅の場合には、いきなり処分業者へすべてを任せるのではなく、まず遺品や重要書類などを確認し、その後に不要な残置物を処分する流れが安心です。
残置物はいつ処分するのが正解?
残置物の処分について、
「査定前に片付けるべきでしょうか?」
「売却が決まってからでも大丈夫ですか?」
というご質問もよくあります。
結論としては、売却方法を決める前に、高額な処分費用をかける必要はありません。
まずは残置物がある状態で不動産会社へ相談することをおすすめします。
なぜなら、売却方法によって必要な対応が大きく変わるからです。
例えば一般の方へ仲介で販売する場合には、内覧前にある程度片付けた方が住宅の印象が良くなることがあります。
一方、不動産会社による買取であれば、残置物を残したまま引き渡せるケースもあります。
つまり、
「片付ける→査定する」ではなく、「査定する→売り方を決める→必要なら片付ける」
という順番の方が、無駄な費用を抑えられる可能性があります。
残置物処分には思った以上に費用がかかることも
残置物の処分費用は、荷物の量や建物の大きさ、搬出条件などによって大きく変わります。
特に、
- 大型家具が多い
- 家電が大量にある
- 物置にも荷物が残っている
- 2階以上から搬出する必要がある
- トラックを建物の近くに停められない
といった住宅では、作業人数や搬出時間が増え、処分費用が高くなることがあります。
一戸建ての場合、室内だけでなく庭や物置、ベランダなどにも荷物が残っていることがあり、「思っていたより処分する物が多かった」というケースも珍しくありません。
だからこそ、売却するためだけに慌てて処分業者へ依頼するのではなく、処分費用も含めて売却方法を比較することが重要です。
「残置物を処分すれば、その分高く売れる」とは限りません
ここは売却を考えるうえで非常に重要なポイントです。
例えば、残置物の処分に50万円かかったとします。
しかし、50万円かけて室内を空にしたからといって、売却価格が必ず50万円以上高くなるわけではありません。
特に築年数が古く、購入後に大規模なリフォームや解体が予定されている住宅では、室内を完全に空にすることが売却価格へほとんど影響しない場合もあります。
反対に、築浅住宅などで室内の状態が良ければ、残置物を整理して住宅本来の魅力を見せることで、販売しやすくなることもあります。
つまり、残置物を処分するかどうかは、
「処分費用」だけではなく、「処分したことで売却条件がどの程度変わるのか」
まで考えて判断する必要があります。
残置物が多い空き家は早めに状況を確認しましょう
誰も住んでいない空き家に大量の残置物がある場合には、長期間そのままにすることにも注意が必要です。
家具や段ボールなどが大量に置かれていると、室内の通気が悪くなり、湿気やカビの原因になることがあります。
また、食品や生ごみなどが残されている場合には、害虫やネズミなどが発生する可能性もあります。
さらに、荷物によって床や壁が見えない状態では、
- 雨漏り
- シロアリ被害
- 床の腐食
- 配管からの漏水
など、建物の不具合を発見しにくくなります。
残置物をすぐに全部処分する必要はありませんが、長期間空き家になっている場合には、一度建物の状態を確認しておくことをおすすめします。
売却前に確認しておきたいチェックポイント
残置物がある住宅を売却する場合には、次の点を確認しておくと、その後の手続きを進めやすくなります。
- 貴重品や重要書類が残っていないか
- 相続人が複数いる場合、処分について確認できているか
- 家具や家電の量はどの程度あるか
- 庭や物置にも残置物がないか
- 売却前に処分する必要があるのか
- 残置物を含めて買取してもらえるのか
- 処分費用を含めた場合、どの売却方法が有利なのか
すべてをご自身で判断する必要はありません。
分からないことがあれば、残置物がある状態のまま不動産会社へ相談して問題ありません。
残置物がある家の売却方法は一つではありません
残置物がある住宅でも、売却方法はいくつか考えられます。
一般の購入希望者へ仲介で売却するのであれば、必要な範囲で片付けや清掃を行い、住宅の魅力を伝えやすい状態にする方法があります。
一方、
「片付ける時間がない」
「遠方に住んでいて対応できない」
「処分費用を先に負担したくない」
という場合には、残置物がある状態での買取を検討する方法もあります。
また、建物自体を解体する予定であれば、残置物処分と解体工事をまとめて検討した方が効率的なケースもあります。
大切なのは、最初から「全部処分しなければ売れない」と考えないことです。
沖建では残置物がある状態からご相談いただけます
当社では、残置物がある住宅についても、現在の状態からご相談いただけます。
まず現地を確認し、
- 残置物の量
- 建物の状態
- 築年数
- 土地としての価値
- 想定される購入者
- 仲介と買取それぞれの可能性
などを総合的に確認します。
そのうえで、
「片付けてから仲介で販売する」
「必要最低限だけ整理する」
「残置物がある状態で売却する」
「買取を利用する」
など、物件やお客様の状況に合わせた方法をご提案します。
特に相続した住宅では、「何から手を付けたらいいか分からない」という状態でご相談いただいても問題ありません。
売却を決めてから片付けるのではなく、片付ける前の段階から相談することで、不要な費用や手間を減らせる可能性があります。
残置物がある家を売却するときの3つのポイント
① 先に高額な処分費用をかけない
まず不動産会社へ相談し、現在の状態でどのような売却方法があるのか確認しましょう。
② 貴重品・重要書類だけは確認する
特に相続物件では、権利関係や相続手続きに必要な書類が残っている可能性があります。
処分する前に一度確認することが大切です。
③ 「仲介」と「買取」を比較する
残置物を処分して一般の方へ販売する方法と、現状のまま買取を利用する方法では、費用や売却までの期間が異なります。
売却価格だけではなく、処分費用や手間、時間まで含めて比較しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 家具や家電が大量に残っていますが査定できますか?
はい。残置物がある状態でも査定できます。
無理に片付けてから査定を依頼する必要はありません。
Q. 相続した実家を一度も片付けていません。それでも相談できますか?
もちろん可能です。
相続物件では、家具や生活用品がそのまま残っているケースも珍しくありません。
現在の状態を確認したうえで売却方法をご提案します。
Q. 仏壇や神棚も残したままで大丈夫ですか?
仏壇や神棚については、一般的な家具とは異なり、ご家族の意向を確認したうえで対応することをおすすめします。
必要に応じて、供養や処分方法について専門業者へ相談する方法もあります。
Q. 残置物の処分費用は売却代金から支払えますか?
売却方法や契約条件によって対応は異なります。
事前に費用負担や精算方法を確認しておくことが重要です。
Q. 残置物があると査定額は下がりますか?
必ずしも残置物の存在だけで大きく査定額が下がるわけではありません。
ただし、処分費用が必要な場合には、その費用を考慮して条件が決まるケースがあります。
建物や土地そのものの価値と合わせて判断することが重要です。
Q. ゴミ屋敷のような状態でも売却できますか?
物件の状態によりますが、大量の残置物がある住宅でも売却できるケースはあります。
「ここまで荷物が多いと相談しづらい」と思わず、まずは現状のままご相談ください。
まとめ
残置物がある住宅でも、売却できないわけではありません。
一般の購入希望者へ売却する場合には、残置物を整理することで住宅の印象が良くなることがあります。
一方、築年数が古い住宅や解体予定の建物、不動産会社による買取などでは、残置物をすべて処分せずに売却できるケースもあります。
大切なのは、
「売却するなら、まず全部片付ける」
と決めつけないことです。
処分費用をかけた後で「そのままでも売却できた」と分かっても、その費用を取り戻すことはできません。
特に相続した住宅では、重要書類や思い出の品などが残されている可能性もあるため、慎重に進める必要があります。
当社では、残置物がある状態からでも不動産売却についてご相談いただけます。
現在の状態や売却方法、処分費用などを総合的に確認し、お客様にとって負担の少ない方法をご提案いたします。
「まだ何も片付けていない」
「何から始めればいいか分からない」
という段階でも構いません。
まずは現在の状態を確認するところから、売却を検討してみてはいかがでしょうか。
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