空き家を処分したい!なんとかしたい!使える補助金は?
「空き家を相続したけれど、使い道がなくて」「持ち家があるから相続したけれど、空き家にしている」、そういった方が増えているようです。しかし、空き家を放置したままにしておくと、さまざまなリスクに直面することになります。倒壊や景観悪化、不法侵入などが発生すれば、近隣に住まわれている方から損害賠償請求される可能性がありますし、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空家法)で特定空家に認定され、勧告、命令といった処分になれば、罰金が課せられるほか、最悪の場合、行政代執行となってしまい、処分費用が請求されてしまいます。深刻化する空き家問題、その解決策として国や地方自治体は修繕・改修による空き家の再利用促進や、空き家の解体による更地化を進めるための補助金や助成金を制定しています。
空き家を修繕・改修し再利用を促進するための補助金
空き家をそのままで放置していると発生するさまざまなリスクを回避するため、解決策として挙げられるのが建築物の修繕・改修を行い、売却で流通を促したり、賃貸物件として利活用を促したりしていく、という方法です。国や地方自治体はそのためにさまざまな補助金や助成制度を用意しています。特に地方自治体では空き家の有効活用と市外からの移住者や定住者などのUターン、Iターン、Jターンを加速させるための補助金があるので、空き家のままで、放置せず、補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
空き家活用のための家財道具等処分補助
空き家を賃貸に出すにしても、あるいは売却するにしても、問題となるのは残置物の処理です。この問題を解決するため、残されている家財道具を処理し、清掃を行うための補助金が制定されており、多くの市町村でその申請を受け付けています。申請には各自治体が開設している空き家・空き地情報バンクに空き家を登録済であること、空き家所在地で地方税の滞納がないこと、ほかの制度による家財道具処分の補助を受けていないこと、といった条件がつきます。
一例を挙げると千葉県睦沢町の場合、次のような補助金を申請できる人は以下をすべて満たすことが条件となっています。
- 空き家の所有者または相続人であること(個人に限る)
- 地方税法(昭和25年法律第226号)第5条に規定する市町村税を滞納していないこと
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律及び現に睦沢町暴力団排除条例で定める暴力団員等でないこと
補助の対象は自らが運搬、処分を行う場合と長生郡市広域市町村圏組合から一般廃棄物処理業の許可を受けた専門事業者に依頼する場合によって異なります。自らで処分を行う場合にはごみ処理手数料、トラック等車輌等リース料、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、衣類乾燥機など、特定家庭用機器などのリサイクル料金が対象です。一方、事業者に依頼した場合には運搬、処分費用が対象です。一戸建ての空き家内の家財道具等を処分した場合には最大10万円が補助されます。
このほか、補助金の交付を受けた日から起算して3年間,第三者に対する賃貸あるいは売買を目的として、補助の対象となる物件を睦沢町空き家バンクへ登録する必要があります。
補助金をだしている地方自治体によってこうした条件、補助の上限額は異なります。ご自身の所有されている家屋の所在地の市町村ホームページでご確認ください。
空き家解体・除却のために利用できる補助金
空き家を更地にしたいが解体費用を考えると躊躇して、そのまま放置という話も耳にします。しかし、空き家のままにして放置していると特定空家として認定されてしまうことになります。勧告、命令といった行政からの指導によって、罰金、さらには処理費用の請求が行われてしまいます。空き家となっている建築物解体のための補助金制度も各地方自治体が施行しています。
この解体についての補助金も市町村によって適用条件が異なります。一例を挙げると、神戸市の「老朽空家等解体補助事業」では1981年5月以前に着工された建物で、腐朽・破損がある空き家を解体する際に解体工事にかかった費用の3分の1以内で上限60万円の補助金が給付されます。ただし、解体する建物が延床面積100平方メートル以上で3戸以上の寄宿舎または共同住宅に該当する場合には上限が100万円となります。
また、解体によって空き家を更地化した場合、住宅用地の特例による固定資産税の減税がなくなってしまうことに注意が必要です。
補助金、予算には限りがあります
ご自身が所有されている空き家に関する補助金があるかどうか、全国の空き家対策の実施施策や事例は、全国空き家対策推進協議会が運営されている「地方公共団体による空き家対策支援制度」検索サイトで調べることができます。
https://www.sumaimachi-center-rengoukai.or.jp/shienseido/
地方公共団体による空き家対策支援制度」検索サイト
家財道具など残置物の処分や清掃でかかる費用の補助金や建築物の解体についての補助金給付についてですが、審査によって認められない場合がありますし、都道府県、市町村ごとに予算には限りがあるので注意が必要です。
そのため、所有されている空き家の処理で補助金の申請を考えられている場合、こうしたサイトで検索し、行政の窓口へ相談に行かれることをお勧めいたします。
東京都の場合は
通勤地獄、住宅難、交通渋滞のほか、ゴミ問題、水不足、エネルギー問題、さらには地方衰退の原因となっている首都東京の一極集中ですが、その東京でも空き家問題は深刻になっています。安心して住める災害に強い街づくりを推進するため、老朽化した空き家の解体に対する補助金給付や、空き家を地域コミュニティーの活性化に利用する建築物として利用するための修繕や改装、耐震工事費用などに対して区や市が補助金を給付する制度があります。
個人だけではなく事業者に給付される補助金も
一例を挙げると板橋区や北区、墨田区などでは老朽化した危険家屋を除却するための費用などを補助する制度を設けています。また、日野市では空き家が、地域の交流の場などとして活用されることを促進するため、空き家を活用する人が、地域貢献に対する取り組みを行う場合に、改修や跡地整備、耐震診断などに要する経費の一部を補助する制度があります。
こうした補助金制度は個人だけではなく、事業者に対しても給付されるものがあります。八王子市では低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯など、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居の円滑化を図るため、市内の空き家や空き室を住宅確保要配慮者専用賃貸住宅として登録し、改修工事を行う登録事業者などに対し、改修工事に要する経費の一部を補助しています。
訳ありの空き家物件の解体にも補助金が
都心部の空き家で特に問題となるのはいわゆる「不良住宅」といわれるものです。不良住宅は住宅地区改良法第2条第4号で「主として居住の用に供される建築物又は建築物の部分で、その構造又は設備が著しく不良であるため居住の用に供することが著しく不適当なもの」と定義されています。
接道がない状態になっているような住宅も不良物件です。こうした不良住宅を空き家状態にしておき、火災などが発生した場合、救急車両も入っていくことができず、延焼するようなことになりかねません。出火原因となった空き家の所有者が損害賠償を支払うことになってしまいます。そうしたリスクを回避するためには解体や売却といった方法をとるのが一般的です。
墨田区では老朽危険家屋除却費等助成制度を実施しており、老朽建物等が、住宅地区改良法に規定する「不良住宅」に該当する場合に、建物所有者に除却費を助成します。助成される金額は除却工事費の2分の1で、上限50万円まで。接道がない場合の助成金額は上限100万円となります。
補助金や助成金で修繕や解体を行うより売却の方がよい場合も
空き家を放置することなく、補助金や助成金で修繕・改修を行い、利活用する場合、所有し続ける限り、管理コストはかかりますし、固定資産税もかかります。更地にした場合には住宅用地の特例による固定資産税の減税はなくなってしまうため、納税額が増えるのはいうまでもありません。こうしたランニングコストを考慮した場合、売却という選択肢もあります。補助金や助成金を活用して保有し続けるか、あるいは売却か、どう判断すべきか、所有者ごとに所有されている物件の状況や状態ごとによって異なるでしょう。お悩みの場合、不動産会社にアドバイスを求めてはいかがでしょうか。
空き家の処理、補助金などのご相談も沖建へ
全国で深刻化する空き家問題を解決すべく、国や地方自治体は取り組みを進めています。空き家を放置し続けることは所有者ご自身にとってリスクになるだけではなく、周辺の居住者にとってもリスクになります。空き家を相続されて、その処分にお困りの方、空き家を所有されていて、その用途に悩んでいらっしゃる方、お気軽にご相談ください。弊社は空き家物件の売買仲介や買い取りに多くの実績がございます。お問合せいただいた当日の審査も可能です。弊社スタッフが迅速かつ慎重にご対応させて頂きます。