弁護士が不動産案件で直面する課題

1：依頼者間の調整に時間がかかる

相続案件や離婚案件では、当事者間で感情的な対立が生じやすく、不動産の処分方法について合意を得ることが困難なケースが多いと思います。特に共有持分の場合、全員の同意が必要となるため、一人でも反対する共有者がいると売却手続きが停止してしまいます。裁判所への資料提出・依頼者への案内・相手方への回答など、先生方は常に時間に追われている事かと思います。そんな中、不動産の処分に充てる時間を取り難くないでしょうか。

2：一般市場での売却に時間がかかる

通常の不動産仲介では、買い手を見つけるまでに3～6ヶ月以上かかることが一般的です。しかし、破産管財案件では債権者集会の期限があり、相続案件では遺産分割協議を早期にまとめる必要があります。しかし、共有持分や権利関係が複雑な物件は、一般消費者に購入してもらうのは非常に困難かと思います。

3：不動産業者との連携が難しい

法律事務所が不動産業者に買取を依頼しても、権利関係が複雑な物件は敬遠されがちです。主な理由としては不動産業者といえども、取り扱いに不慣れな案件は価格を設定する事や金融機関のローンが利用できず買取自体が難しい場合もあります。そういった経験値の少ない不動産会社との些末な書類のやり取りや日程調整などに時間がかかれば、先生方のご負担が増大してしまいます。