売れない空き家の理由は?そのままで大丈夫?

総務省が2024年4月に発表した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、日本の総住宅数6,502万戸のうち、空き家の数は900万戸と過去最多となり、2018年から51万戸の増加、空き家率も13.8%と、こちらも過去最高となってしまいました。空き家問題は社会問題となっています。空き家となってしまう理由はさまざまですが、よく聞かれるのが、不動産を遺産相続したけれど、住み替える予定などはないので空き家になってしまっている、売りに出したのに買い手がつかず長らく空き家になっている、という話です。空き家のままで放置することは大きな問題に発展してしまうことがあります。
なぜ売れない?その空き家

空き家になった状態でなかなか買い手がついていないという物件を見かけることがあります。そういった物件を見るたび、私ども沖建のお客様ではなくても、早く買い手がでてきて欲しい、そう願っています。それは空き家のままにしておくことが当該の物件のみならず、周辺にまで悪影響を及ぼしてしまうことがあるからです。
売れないまま、空き家になってしまっているような物件には売れないなりの理由があります。
価格設定を誤ると長期で空き家に
不動産取引において最も重要、かつ考慮しなければならないのは相場であり、相場を考慮した価格設定です。相場より高ければ売れませんし、相場より安ければ売れやすくなります。そのため、価格設定を誤ると売れない期間が長くなってしまいます。
厳しいことを言うようですが、売れない状態で空き家になっている物件でよく見られるのが、ご自身が保有されている物件を美化してしまい、過去に近隣で売れた、比較的高い売却価格を参考に価格設定してしまったケースです。たしかに類似物件で相場を知ることは重要ですし、最初はそれで見当をつけるのも悪くありません。しかし、実際の価格設定となるとそんなに単純にはいきません。
不動産会社の査定は相場を考慮した適正価格
私ども沖建をはじめ、多くの不動産会社が物件の査定を行うにあたって、「前面道路の幅員は」「接道しているのが公道か私道か」「接道している道路の向きは」「用途地域はどうなっているのか」など、さまざまな側面から考え、その上で適正価格と思われる価格を割り出します。
もしご自身が売却を検討している空き家のオーナー様で不動産会社が出してきた査定に納得がいかない場合、その理由を聞いてみてください。どこがプラスになったのかどこがマイナスになったのか、不動産会社はその理由をしっかりと説明してくれるはずです。
購入後の費用が見えてこない場合
購入後の諸費用が見えない物件も売れない、売れにくい物件になり、空き家期間が長くなっていきます。例えば居住していた人の荷物がそのままの状態、つまり残置物となっている場合、処理費用が発生します。また、購買を検討している土地に古い建物があり、解体することになると、その費用も発生します。
物件購入費用以外に発生するこうした費用が不透明な場合、購入検討者が不安に感じて、購入を躊躇してしまうことになります。
再建築不可となる物件や事故物件など訳ありの場合
建築基準法ができたのは昭和25年(1950年)、また都市計画法は昭和43年(1968年)です。そのため昭和25年以前に建てられた家や、都市計画区域等に指定される以前に建てられた家の中には接道義務を果たしていない物件が存在するのです。
当時は建築できた土地でも、現在の法制度に適合していないと、家屋を取り壊した場合、再建築はできません。こうした再建築不可の物件も簡単には売れません。
テレビ番組で登場する「匠(たくみ)」と呼ばれるような建築家が現在の家屋を活かしてリフォームしてくれればよいのかもしれませんが、それには莫大なコストがかかるでしょう。
また、不自然な死があった、いわゆる事故物件の場合の売却も容易ではないため、売れない期間が続き、長らく空き家のままになってしまうというケースが少なくありません。
売れないままで空き家状態が続くのは大きなリスク
売却したいのに売れず、空き家状態が長期になってしまっている不動産物件はオーナー様にとって大きなリスクになる可能性があります。というのも、空き家にはトラブルが発生する要因が数多く存在しているからです。
空き家から火災発生

空き家のままにしておいた場合に発生するトラブルの一例として挙げられるのが火災発生です。物件のオーナー様は売却するから火災保険に加入したままにしておくのはもったいないと、保険契約を解除してしまったり、そもそも自分たちの住んで居る家ではないので、火災保険に加入する事を失念してしまい、未加入の場合もございます。
しかし、空き家の防犯用にとオートライトの照明をつけていたコンセントや、換気システムのコンセントから発生するトラッキング現象で自然発火が起きる可能性があります。物件の近くを通った人によるタバコのポイ捨て、不始末から火がつく可能性もあります。
隣地などに延焼してしまった場合や隣地からのもらい火があった際も、火災の被害額は想定を超えるものになってしまうので、注意が必要です。
老朽化が進んだ空き家の倒壊

売却を予定している空き家物件のオーナー様はほとんどの場合、補修や改善といったメンテナンスにお金をかけません。
しかし、買い手のお客様が見つからず、半ば放置状態での空き家期間が長くなっていくと、建物の老朽化や敷地内の環境悪化が一気に進み、倒壊などが発生する恐れがあります。崩れた家屋や植えてあった木が倒れ、近隣住宅を破壊してしまったり、あるいは近所を歩く人に怪我させてしまったり、というような事故が起きた場合、オーナー様はその責任を問われることになります。
空き家に害獣や不審者が住みつくことも
空き家となっている家屋にネズミやイタチ、ハクビジンといった害獣が住みつき、内外を荒らしたり、糞尿などによって悪臭が発生したりすることによって近隣の環境を悪化させてしまうことも考えられます。
また、空き家に無断侵入されて、いたずらが行われることもあるでしょう。不審者がそこに住み着いてしまったり、最悪の場合、不審者が犯罪の温床として悪用されてしまったりする恐れもあります。
空き家期間は短く!早期売却のための方法は?
売却を検討している物件を所有するオーナー様から、早く売却するためにはどうしたらよいかと相談を受けることがございます。しかし、物件ごとに条件が異なるため、一概にこれをやっておけばよいということはありません。
空き家より更地の方が売れやすい?高く売れる?

「古い空き家になっている上物があるので、解体し、更地にしてしまった方がよいのでしょうか」、こういった相談を受けることがあります。
建物の老朽化が進んでしまっている場合や、買い手となるお客様がその場所でご自身が建てたいと考えている建物の明確なイメージがある場合、空き家にせず、解体しておけば、少しは高く売れる可能性があります。
しかし、売れない状態が続いた場合、上物があるのとないのとでは固定資産税や都市計画税が異なってきます。
人が住むための家屋が建てられている土地の場合には固定資産税と都市計画税が軽減される特例措置があります。売却しようとする物件が更地になっている場合、この措置が適用されません。売れずに更地状態にあると、家屋があったときよりも固定資産税と都市計画税が高くなってしまいます。高く売れた分が税金で消えてしまう可能性もあるのです。
また、更地にしてから売却し、引渡すまでの間の管理も決して楽ではありません。夏場、雑草が生い茂ると、大量の虫が発生する為、草刈りも必要です。冬場は、土の表面が乾燥している中、風が強いので砂ぼこりがまってしまいます。どちらも、土地に専用のシートをはれば、ある程度は防ぐことができます。もちろん、シートも簡単にはれる訳ではないので、業者に頼み費用が発生します。
そのため、上物を即座に解体して更地にするかどうかを見極めるのはこれまでに多くの物件を取り扱ってきた不動産会社であっても慎重に判断しています。
リフォームしてからの売却もおすすめできません

また、少しでも高く売りたいとリフォームを検討される売り手のお客様もいらっしゃいます。これはお勧めしていません。というのも、リフォームした分のコストを回収できないことが多いからです。また、リフォームが買い手のお客様の趣味と異なる場合がありますし、買い手のお客様が明確なイメージを持っている場合、解体したところに建て直すことになるからです。
結局のところ、売却されるお客様ができることは物件の測量をしておくこと、それ以外では信頼できる不動産会社に相談して査定を受けるくらいしかないのです。
個人売買の仲介を利用した場合
個人売買の仲介では価格の査定から始まって、価格を設定し、買い手を探すというプロセスで行われます。そうなると査定から実際に売却の契約が終わり、物件を引き渡すまでにはそれ相応の時間と手間がかかります。売却物件に残置物などの問題があれば、その処理や対応も考える必要が出てきます。
また、希望の売却価格が相場とかけ離れていたり、あるいは再建築不可の物件だったり、あるいは事故物件のような訳ありだったりする場合にはいつまでも売れ残り続けてしまうことが考えられます。
売れない期間が長引いてくると、空き家にあるさまざまなリスクが表面化してきます。建屋の経年劣化の進行もリスクの一つです。
不動産会社による買取の場合
「不動産会社の買取は周辺の相場や個人間の売買よりも安い」「少しでも高く売りたいから、できれば仲介で」と考える人は少なくありません。しかし、不動産業者の買取価格が安いのは業者がお客様のこうした手間や問題、リスクなどの全てを引き受けさせていただき、即座に処理するからです。そういった観点から業者買取は売却完了まで、スムーズかつスピーディーに行われるというメリットがあります。具体的にどんなメリットがあるかご紹介しましょう。
修繕やリフォームは不要、余計な出費なしで現金化
不動産会社による買取でメリットとしてまず挙げられるのが修繕やリフォームが不要だということです。物件をそのままの状態、現状で買い取ってもらうため、余計な出費は発生せず、現金化することができます。また、契約にもよりますが、不動産会社の買取では土地や建物などの売買物件に不具合や欠陥が見つかった場合、売主様がその責任を負う瑕疵担保責任も免除されることもあります。
荷物などの残置物はそのままで売却可能
荷物などの残置物をそのままにしておけるという点も、不動産会社の買取を選ぶメリットとして挙げられます。個人売買や仲介による売却の場合、修繕やリフォームまでは行わないにしても、購入希望者の印象をよくするために、自身で清掃を行ったり、そのままになっている荷物などを片付けておいたり、といった作業が必要になるのはいうまでもありません。しかし、買取の場合、不動産会社が処理してくれるケースがほとんどです。
仲介手数料が不要
不動産会社の仲介で空き家を売却した場合、宅地建物取引業法によって仲介手数料が発生します。その上限額は仲介手数料を計算する際、一律の割合で計算した後に差額を足す「速算式」と呼ばれる方法で計算することができます。
成約価格が400万円を超える場合には「成約価格(税抜) × 3% + 6万円 」+ 消費税、200万円超から400万円以下の場合には「成約価格(税抜) × 4% + 2万円」 + 消費税、200万円以下の場合は「成約価格(税抜) × 5%」 + 消費税となります。
仲介で売却した場合、仲介手数料が発生しますが、不動産会社による買取の場合、仲介手数料は不要です。
訳あり物件の買取も沖建グループにご相談ください
沖建グループは設立から30年以上にわたって、「売買」「建築」「設計」「賃貸」のすべてを手掛けてまいりました。売主・買主・施工主、物件に関わるみなさまがお持ちになられている「すまいのロマン」を実現すべく、私どもは数々の難局を乗り越えてきた判断力で、不動産事業に取り組んでおります。
オーナー様が物件を売却される際、測量業者への依頼はもちろん、隣地所有者様への立会い要請、さらには煩雑で面倒な業務の多い隣地境界の測量、また売主様から売却を依頼された物件を、買い手がつきやすいようにする清掃、残置物の処分といった費用などは弊社負担で承ります。
弊社はこれまで訳あり物件の売買仲介や買い取りにも多くの実績がございます。所有物件の売却をご検討の際には私ども沖建グループに相談いただければと思います。